【議会報告】令和2年6月議会「運動公園の整備・管理運営について」
6/24(水)に6月議会が終了しました。
遅くなりましたが、今回の議会で重要だと考えている運動公園の案件について、報告させていただきます。
この件は、6年前に議員になった当初より、立地場所、建設費(約60億円)、大部分が多目的体育館だということ、整備することで他の体育施設が廃止になること、など、様々な点で反対してきました。
しかし、2年前の市長選挙で運動公園の建設が争点になり、運動公園を推進する市長が再選されたことにより、民意が示されたと判断し、この2年は整備を前提に、より市民にとって使いやすく、かつ、維持管理費も抑えられるような施設になるよう、様々な提案をしてきました。
例えば、再生可能エネルギーの導入や、建設時の環境への配慮、建設後の環境保全と市民協働の推進、建材への地域産材の活用、維持管理委託費の決定方法などなど。
そして、今回の6月議会で、運動公園整備の最終議題となる整備・管理運営業者の選定が議題となり、それに関して、議場や所属する委員会内で様々な質疑を行った結果、反対いたしました。
私は、毎回、反対する議案に関しては、議場で討論をして反対する理由を伝え、FBやブログ等で市民のみなさまにも報告していますので、今回も討論原稿を掲載させていただく形で、反対した理由をお伝えいたします。
なお、結果は、賛成14、反対5で、可決されました。
「議案第52号 事業契約の締結について(糸島市運動公園整備・管理運営事業)」
【反対理由】
私が今回の議案に反対する理由は、選定先の企業が提案した金額の内、維持管理運営費が当初市が想定していた金額よりも高いことです。
これまでの質疑により、維持管理運営費が高くなったのは選定先が想定している利用料収入額が、市が想定していた金額の半分以下であることによるものでした。
利用料収入は利用者数に比例するので、選定先の企業が利用料収入を半分以下に想定しているということは、利用者数も半分以下で想定しているということです。
より多くの市民に利用してもらうことを目指している運動公園の整備と管理運営をする企業を選定する上で、企業側が想定している利用者数や利用料収入はとても重要な数字だと考えます。
全体としてこれだけの経費がかかるけれど、それによって利用者を増やしこれだけの利用料収入を生み出せるので、結果的に運営費はこれだけ低くなります。そのような提案が企業からなされるべきだと考えますが、市の説明によると、今回の選定企業からは、経費を抑えて利用料収入も抑えるという内容だったとのことでした。これは、PFIを活用するメリットと逆行する提案だと考えます。
また、これはただ低めに見積もっているというだけの話ではありません。
運動公園の運営を開始し、実際には企業の想定以上に利用者が増え、利用料収入が増えたとしても、増加した分は運営会社に入るからです。
私は、これまで利用料収入をすべて運営会社に入れるのはコストが高くなるから改めるべきだと提案してきました。それに対し市は、利用料収入をすべて運営会社に入れた方がインセンティブが働き企業が努力して利用者を増やそうとするから、結果的に利用者も増え、市が支払う維持管理コストも低くなると説明してきました。
今回、応募先が一社しかなくて、競争原理が働かなかったこともあり、結果的に私が懸念していたとおり、維持管理コストが増大しています。
私が維持管理コストの低減にこだわるのは、その財源が市独自の政策に充てられる一般財源であり、今後施設を維持し続ける限り毎年払い続けることになるからです。
今後、人口減少・少子高齢化社会が到来する中で、自治体としてより一層の持続可能な財政運営が求められる中、今後15年に渡り維持管理運営をしていく事業者の選定には、議会としても厳しい視点でチェックする必要があります。
運動公園をより多くの市民に利用してもらえる施設にし、同時に維持管理コストを抑え持続可能な運営をしていくために、糸島市議会として本議案を否決し、選定をやり直し、再度公募をかけ、今回の選定先の事業者からも提案内容を見直して再提案してもらうべきだと考えますので、本議案に反対いたします。
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